10.Strings-2

そうそう、先程軽く触れましたが、このアルバムには兄の多大なる貢献(Stringsアレンジ)があります。

兄は2歳年上で音楽大学の作曲科卒でアレンジャーであります。
母は兄を音楽教師にしたかった様ですが、兄は途中からポップスに目覚めてしまい(笑)、アレンジャーを志しました。
結果的に言えば解散後の僕は、兄の同業者になってしまったのです。

同じアルバムで全く知らずに仕事をして、完成したサンプル盤を見て初めて「あれ、兄ちゃんやんけ!」などと言う事もありましたからね。

当時WINDYは音楽的な素養に欠ける部分が多かったのですが、僕の頭の中では壮大なStringsがいつも鳴っていたのです。
レコード会社に「シンセサイザーを多用するよりはStringsを入れたい」とお願いして、それを兄に頼みました。
言いたいことも言えるし、何より僕の稚拙な音楽用語を理解してくれる唯一の音楽家でしたから…(笑)。

弟の僕が言うのも何ですが、Stringsアレンジすごく良いです、今聞いても。
そもそも自身のアレンジでは無い物にStringsだけを入れると言うのは結構大変な事なのです。

「こう行きたい…」と思っても別の楽器が邪魔をしたりして、なかなか良い感じに持っていけない物なのです。
僕もコーラスアレンジだけを頼まれた時期がありましたが、結構辛かったですね。

近年になって自分でも何度かStringsアレンジに挑戦したこともありますが、ハッキリ言って全くかないませんね(笑)。
当時のスコア、もう持ってないだろうなぁ…、兄ちゃん(笑)。

そうそう、このStrings-2は「涙のクラクション」のサビから無理やり抜いてきた物です。
兄の名誉のために申し上げますが、当然Stringsオンリーで使われる事を想定していないので、低音部を担当するパートがいない分、かなり重心の高い「キンキン」した音になっていますね。