11.二人だけのシンフォニー

前田憲男先生の素晴らしいアレンジによる豪華絢爛な曲です。

この曲も「俺」が出て来ると言う事は(笑)歌詞は代えられてしまっています。
元々はジュークボックスをテーマにした軽薄な歌詞でした。
アレンジも「Stand by me」的な感じで、まさかこんな盛大な曲になるとは思ってもみませんでした(ライブでは元のアレンジで演奏していましたけどね)。

基本的にオケはSax soloを除いて「一発同録」です。
オーケストラと一緒に「仮歌」を歌いましたが、死ぬほど緊張しましたね(笑)。

また当時、兄は大の前田憲男先生ファンでしたので、出番もないのにスタジオに来て一番前で食い入るように見ていましたっけ(笑)。

感動しました…、本当に…。
バンド小僧の書いた曲を、一流のミュージシャンの方々が演奏しているのです。弦セクションなんて弓が何十本も一斉に同じように動くのです。

「あぁ…、シンフォニーみたいだ…」と思いました(全然シンフォニーとは関係ないんですけど、当時の僕はオーケストラ=交響曲くらいの発想しか無かったのです)笑。

そうです。この曲、タイトルだけ僕がつけました。

感動しまくっていた割には図々しく「前田先生、ピアノ弾いてくださいよ」と。
今思えば怖いもの知らずなお願いをしてしまいましたが、「ん? そうか? 仕方ないな…」と弾いてくださいましたよ!これが(笑)。
お願いしてみるものですね~(笑)。

素晴らしいアレンジと演奏でしたが、ミキシングでVocalとSax soloが異様に大きくて曲全体のスケールを小さくしてしまっていますし、音像も遠すぎます。

今回のリマスターで何とかしたかったのですが、限界はありました。
それでもオリジナルと聞き比べれば大分良くなってはいるんですけどね(笑)。

意外と「チェッカーズっぽい」と言われる事が多かったですね…。
今でも理由は解りません。多分、歌詞の影響かな…とは思いますが。


こうして紆余曲折の上に出来上がった1st Album「HEART WASH」は1986年8月25日にリリースされたのです。